新館長就任のご挨拶
2020年04月09日
館長就任のご挨拶
新年度から,雪の科学館の館長をお引き受けする事になりました。就任にあたりご挨拶申し上げます。
私は,中谷宇吉郎先生ゆかりの北海道大学低温科学研究所で,雪や氷の結晶成長や表面の構造,形の発展などの研究を長年にわたり行ってきました。まさに,中谷先生が世界に先駆けて始められた雪や氷の研究を,現代的な視点で深めてきたという事になります。
この雪や氷の研究というのは,我々人類の存続さえも揺るがしかねない気候変動や環境問題の原因を明らかにするための最も基本となるものとして,近年多くの研究者からあらためて注目を集めるようになってきています。中谷先生に始まる研究分野が,まさに我々が直面している地球の危機を救う鍵を握っていると言っても過言ではありません。このような状況を鑑みると,雪の科学館の果たす役割は,中谷先生の人となりや業績を紹介するということだけにとどまらず,中谷先生に始まる雪や氷の研究を通じて,我々の地球の未来を予測し,そして人類が生き延びていくにはどうすれば良いのかを考える場を提供する事にあると思います。
地域に密着した活動をこれまでどおり活発に展開するとともに,世界に発信できる新しい魅力を備えた科学館として,さらなる発展を遂げることができるように,館長として微力ながらお手伝いできればと考えています。皆様のご支援をよろしくお願いいたします。
古川義純