中庭

中庭

『グリーンランド氷河の原』霧の庭#47704 (1994) / 中⾕芙⼆⼦

『 Greenland Glacia Moraine Garden』Fog Garden #47704 / Fujiko Nakaya

中庭の「グリーンランド氷河の原」に敷きつめられた約60 トンの⽯は、グリーンランド北部のThule( チューレ) の近くにある氷河モレイン( 堆⽯) から運ばれた⽯です。
チューレは、宇吉郎博⼠が氷の研究に打ち込んで最後の四夏を過ごしたグリーンランド内陸の実験室に最も近いところで、⽶空軍基地のある港町です。
氷河は広⼤な地域から⽯を削り取って運んでくるので、モレイン堆⽯には様々なサイズと種類と年代の岩⽯が多く、この中庭の⽯は7 億年から27 億年前のものと推定されます。氷河の氷で磨かれ、細かいキズ( 擦痕) のついた⽯も⾒られます。
「グリーンランド氷河の原」の裾野部分では、永久凍⼟地帯に多く⾒られるポリゴン・フィールドの再現を試みました。⻑い年⽉の間、凍結と融解が繰り返されると、⽯が徐々に移動して、内側には⼩さな⽯や⼟壌が集まり、⼤きな⽯は外側に押し出されてポリゴン( 多⾓形) や円形の特徴的な地表パターンが出現します。グリーンランドの海岸近くには、このようなポリゴン・フィールドが果てしなく広がっているところがあります。
中庭には、⼈⼯霧発⽣ノズルが装備されています。刻々と変化する霧は、静かな⽇には「氷河の原」を下って庭を⽩く埋め尽くし、⾵の吹く⽇はブリザードのように舞い上がって北の便りを届けます。

中⾕芙⼆⼦ Fujiko Nakaya

1933 年、中⾕宇吉郎の次⼥として札幌に⽣まれる。⽶ノースウェスタン⼤学美術科卒。

芸術と技術の協働を理念とした実験グループ「E.A.T」に参加し、1970 年の⼤阪万博ペプシ館にて初めての⼈⼯霧による《霧の彫刻》を発表する。以降、世界各地で⼈⼯霧を⽤いた環境彫刻、公園、インスタレーション、パフォーマンスなどを⼿がける。

2008 年⽂化庁メディア芸術祭功労賞受賞、2017 年フランス芸術⽂化勲章コマンドゥール受勲、2018 年第30 回⾼松宮殿下記念世界⽂化賞彫刻部⾨受賞。