北大低温研×雪の科学館 特別レクチャーシリーズ 科学の心をさがす旅 vol.2

《 期間限定 》 動画公開中

●本講演会は、YouTubeでのライブ配信も行いました。

 アーカイブ動画はこちら!ぜひご視聴ください。

この講演会は、北海道大学低温科学研究所と中谷宇吉郎雪の科学館の連携協定に基づくものです。

 

日    時:2024年7月27日(土)10:30~12:20

会    場:中谷宇吉郎雪の科学館 映像ホール および YouTubeライブ配信

対    象:中高生から大人まで(関心のある方は対象外年齢でも参加可能です)

 

講演1 

『宇宙からの手紙の読み方

 

講師:北海道大学低温科学研究所 教授   木村 勇気 

 雪は天からの手紙である。中谷宇吉郎は雪の形は温度と湿度によって決まっていることに注目して、雪の形から上空の環境が分かることを示しました。低温科学研究所では、今、宇宙からの手紙を読み解くための研究が進められています。実は雪だけではなく、物質の結晶の形は、生成する時の環境の違いで多様に変化します。そのことに着目し、宇宙から飛来してきた隕石を調べています。隕石はその内部にたくさんの鉱物(結晶)を含む宇宙からの手紙といえます。その手紙を読むことができれば、太陽系ができた時やそれよりも古い時代の環境を知ることができます。

 私は、宇宙で作られた隕石中の鉱物粒子の形と生成環境の関係を、ロケットを使った無重力実験で調べています。これまでに分かってきた宇宙からの手紙の読み方を紹介します。

講演2 

『融ける南極氷床 ― 海の役割を探る

 

講師:北海道大学低温科学研究所 教授  青木 茂 

 地球表層の淡水の約7割を保有する氷の大陸、南極。仮にその氷のすべてが融けたとすると、地球の海面は60メートル近く上がります。近年、その南極氷床では氷の流出と融解が進行し、海面上昇につながっています。そしてその融解には大陸をとりまく海が重要な役割をはたしていることが分かってきました。今後の融解が懸念されている東南極トッテン氷河の融解メカニズムを探るため、日本の南極地域観測隊が、2019/20年に、世界初となる大規模な広域調査に挑みました。現地観測によって、深い谷が氷河の下まで続き、その谷を東南極沿岸で最も暖かい水が占めていることが分かりました。変わりゆく南極の今を探り、地球環境の変化を予測するための、私たちの南極観測の取り組みをご紹介します。

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更新日:2024年05月31日