なぜ雪に比べ霰や雹は硬く 体に当たると痛いのでしょうか?
これは、あられやひょうのでき方と関係しています。雪の結晶は、上空の雲の中に発生したごく小さな氷のかたまり(氷晶)に周囲の空気中に含まれる水蒸気が直接氷晶に吸い込まれることで生成します。このため、軽くてふわふわなのです。では、雪の結晶に吸い込まれる水蒸気はどこから補給されるかというと、結晶の周囲に浮かぶ雲粒(直径0.01〜0.04ミリ程度)が蒸発することによります。すなわち、雪の結晶の周囲には、必ずこのような雲粒がたくさん浮かんでいることになります。
さて、だんだん雲が濃くなり雲粒の数(密度)が増えてくると、雪の結晶に直接この雲粒が衝突するようになります。この雲粒は、結晶の表面に球形を保ったままで直ちに凍りついてしまいます。雪の結晶の写真や分類表には、”雲粒付き”という名前のついた結晶形がありますが、これらはこのようにして作られます。
では、さらに雲が濃くなって雲粒の数が増えるとどうなるでしょう。雪の結晶には、雲粒が次から次へと衝突して、凍りつくようになります。このようなときには、結晶の上に小さな氷の玉が折り重なって凍りつき、ちょうどぶどうのフサのような構造のものができます。これが、あられです。このため、あられは雪の結晶よりも硬くなり、当たると痛いと感じるようになります。
最後に、ひょうはどのようにしてできるのかを説明しましょう。もっと雲が濃くなって雲粒が密に存在すると、雪の結晶に衝突した雲粒が完全に凍りつく前に、次の雲粒がその上に重なって衝突してくるようになります。こうなると、結晶の表面には、液体の水の膜ができてしまい、それを通して氷が発達するようになります。こうしてできた氷のかたまりが、ひょうです。あられは氷の粒の集まりですので白く見えますが、ひょうは透明な氷のかたまりとして見えるという大きな違いがあります。ひょうは、発達した積乱雲の中などの強烈な上昇風が吹き荒れているところでできやすくなります。このような中では、ひょうも吹き上げられてなかなか落下できないので、時にはゴルフの球ぐらいにまで大きくなることがあります。記録では、こぶし大のものが観察されたこともあるそうです。こんな大きさの氷のかたまりが降ってきたら、ただ痛いだけでは済みません。ひょうが降りそうな荒れた天候になったら、ただちに頑丈な建物などに逃げ込むことが大切です。
(回答掲載日:2026年8月8日)
