チンダル像について
チンダル像とは、氷の単結晶に光を当てると、”結晶の内側”から解けだしてできる、円盤や六角の樹枝状の形をした像のことを言います。氷が融けることでできるので、像の内部は液体の水で満たされています。チンダル像を作る時に使う氷の単結晶は、通常は純水を凍らせて作ります。では、純水ではなく溶質が混ざった水溶液を凍らせて作った氷を使った時でも、同じようなチンダル像を作ることができるかというのが今回のご質問です。
答えは、純水で作成した氷でも水溶液から作った氷でも、同じようにチンダル像を作ることができます。すなわち、たとえ水溶液から氷を作っても、出来上がった氷は純水を凍らせて作る氷と全く同じ性質をもつからです。これは、水溶液が凍るときは水分子だけが結晶に取り込まれて、溶質の成分は氷の結晶からは吐き出されてしまうからです。このため、出来上がった氷の結晶には溶質成分が含まれないため、もともと純水から作った氷と完全に同じものになります。
では、水溶液を凍らせて氷を作る時に、どんなことが起きているのかをもう少しだけ詳しく説明しましょう。容器に水溶液を入れて、それを冷やしていくと氷が発生します。氷の結晶は成長とともに溶質の成分を吐き出しますので、その成分は水溶液の中に取り残されます。こうして、氷の成長とともに、残った水溶液の中の溶質の濃度はだんだん高くなるということになります。やがて、水溶液全体が凍ると、溶質成分は氷と氷の隙間などに取り残されてしまいます。
例えば、色のついたジュースなどを冷凍庫で凍らせると、一見一様な色のついた氷になっているように見えます。しかし、拡大して観察すると無色透明な氷の部分とその隙間に濃縮されてジュースの成分に別れているのが分かります。凍ったジュースを口に入れると、最初の液体の時より甘く感じると思いますが、それはジュースの成分が濃縮されて残っているからです。
最後に宿題です。冷凍庫の中で、自分で水道水を使って氷を作ると、できた氷の中心部分に真っ白な部分ができることがあります。このような白い部分造ができる理由も、実は上に説明したことと関係しています。その理由をぜひ考えてみてください。お答えをお待ちしています。
(回答掲載日:2026年6月16日)
