地球温暖化が話題になり始めた最初の頃は、気温(すなわち大気の温度)の上昇だけが強調されることが多かったと思います。しかし、近年では、気温上昇だけではなく、海水温の上昇とその影響が報道などでも盛んに取り上げられるようになっています。海水は大気に比べて、温めるのに必要な熱量が桁違いに大きくなります。このため、地球温暖化の影響は、初めは温まりやすい大気の方に影響が現れ、遅れて海水も温まってきたのです。海水の温度も顕著に上昇を始めたということは、地球温暖化のレベルが一段とあがり、いよいよ危機的な状況に近づいてきたともいえます。
さて、地球温暖化によって気温が上昇すると、北国の降雪量も少なくなると思われがちです。しかし、これは必ずしもそう単純なことではありません。実際、大気の温度が上昇するとその大気中に含まれる水分の量が増加します。さらには、海水温度の上昇は、海水からの水分の蒸発をより激しくする効果を持ちます。このため、地球温暖化が進行すると、全体としては降水量がかえって増加するという傾向にあります。このごろ、各地で大雨による被害が頻繁に起きるようになっていますが、これは降水量が増加していることの現れであると思われます。しかしその一方で、雨が極端に少なく渇水の場所も同時に現れたりします。すなわち、全体としては降水量が増えても、一様に増加するのではなく、場所ごと、または時間ごとに、その降り方が大きく変動していると言えます。気温についても同様に、全体が一様に気温が上昇するのではなく、極端に高温の場所と逆に低温の場所が現れたりします。こうして、かつては何10年あるいは100年に一度しか起きないと言われていたような極端な気象現象が、毎年のようにどこかで発生するということも起きます。気象や気候の変動幅が、場所や時間に対して極端に大きくなるというのが最近の顕著な傾向であり、地球温暖化の影響の特徴的なところです。
これだけ地球温暖化と言われるのにそれでも北陸ではドカ雪が降るのはなぜかということは、この地域の気象の変動だけに注目しても、その理由を明確に述べることは困難です。一冬を通して見た時に雪の量は増加しているのか減少しているのか、あるいは地域ごとや時間的に雪の降り方は変化していないか、さらには地域ごとの変化のしかたが互いにどう関連しているかなどを、客観的に見ていく必要があります。また、日本全体、あるいは地球全体の環境の変化の一部として、特定の地域における気象の変動が起きているという視点を持つことも大事です。北陸のドカ雪も、このようなことを総合的に考え合わせていかないと、その原因を明らかにすることは難しいと思います。
(回答掲載日:2026年9月8日)
