雪の結晶の重さ
雪の結晶の大きさというと、直径や長さなどで表記することがほとんどで、一個一個の結晶の重さを測定したものはほとんどありません。その理由は、一個の雪結晶の重さは極めて小さいので、直接秤で測定することが簡単ではないことが考えられます。さらに、仮に精密な秤を用意しても、雪の結晶は複数の結晶がくっつきあっていたり、多数の雲粒が付着していたりするので、雪の結晶一個を取り出すことは簡単ではないこともその理由と考えられます。また、比較的気温の高いときには、多数の結晶の集合体であるぼたん雪になっていたりすると、個々の結晶を取り出すことも困難です。
このように雪の結晶一個の重さを測ることは簡単ではないですが、中谷宇吉郎博士は、、いったん雪の結晶を溶かして水滴にしてから、その直径を測るという方法で、重さの測定を行っています。その論文は、下記のURLから見ることが出来ます。
https://eprints.lib.hokudai.ac.jp/dspace/bitstream/2115/34452/1/1_P191-200.pdf
この論文を見ると、例えば樹枝状結晶では0.043mg、針状結晶では0.004mgという数値が示されています。しかし、結晶の写真を見るとかなり複雑な形をしています。したがって、雪の結晶の代表的なものとして知られる美しい樹枝状結晶などでは、この重さは更に小さくなると考えられます。雪の結晶の形は千差万別といいますが、それに伴って結晶一個一個の重さも広い範囲に散らばっていて、なかなか平均で何グラムとは言うことができません。
(回答掲載日:2022年12月30日)