水質
軟水と硬水の違いは、主にカルシウムやマグネシウムなどの含有物の量によって分けられます。WHO(世界保健機構)の基準では、硬度(水1リットルに含まれるカルシウムやマグネシウムの量)が120mg/L未満を軟水、それ以上を硬水と分けています。(※)この含有物の量は非常に少ないので、水が氷に変わっても氷の硬さにはほとんど影響はありません。また、含有物に量は、水が凍る温度を下げる働きがあるのですが(モル凝固点降下と言います。Q43を参照してください)、これも含有量が少ないのでほとんど影響はなく、氷になる時間にも変化はありません。
含有物を含む水としては、海水を思い浮かべます。海水には、主として塩化ナトリウムが含まれていて、その濃度はおおよそ30g/Lです。この濃度は、軟水や硬水の含有物の濃度の300倍前後になります。このくらいの量になると、海水の凍る温度はマイナス1℃程度まで低下し、できた氷の隙間にも塩分が入り込むので、結果として氷もやわらかくなります。
(※WHOの基準は、実際にはもう少し細かく区分けされています)
(回答掲載日:2022年9月1日)