液体
物質は、圧力と温度の条件によって、液体であったり固体(結晶)であったり、気体であったりします。例えば、水は0℃以上では液体ですが、0℃以下になると固体である氷にかわります。一方、液体の水は蒸発して、気体である水蒸気にも変わります。固体の氷の表面からも蒸発は起こり、水蒸気に変わります。(この変化は、特に昇華と呼ばれます)この変化は、どんな物質にも共通ですので、凍らない液体というのはありません。(※)
しかし、非常にネバネバした液体では、温度が低下すると凍る前にネバネバが強くなって非常に固くなり、凍るということが起こらないままで温度が下がってしまう場合があります。その典型的なものが、ガラスです。ガラスは、非常に硬いですが、実は凍っていない液体ということができます。ネバネバがとても強くて、一見固体のように見えているのです。しかし、このネバネバの液体も、長い時間が経過すると固体である結晶になることがあります。何百年も前に作られた古いガラスの中には、固体であるガラスの結晶が生まれているのを観察できることもあります。
(※家庭にある液体というと、油などがすぐに思いつきます。しかし、家庭で使う油は、冷やしてもどこで凍ったのかがはっきりしません。これは、油はいろいろな種類の成分が混じり合ってできているからです。それぞれの成分ごとに見ると凍る温度は決まっているのですが、これが混じり合うとはっきり凍る温度が決まらなくなってしまいます)
(回答掲載日:2022年9月1日)