過冷却の水について
コップに入れた水をゆっくり冷やしていくと、0℃以下になっても凍らないで液体のままでいることがあります。これを過冷却と呼びますが、とても不思議な現象ですね。この過冷却の水は、家庭でも作ることができます。たとえば、きれいに洗浄したペットボトルの中にきれいな水を入れて、冷凍庫で冷やします。このとき、熱を伝えにくいもの(プチプチのビニールや断熱シートなど)でペットボトルをくるむなどの工夫をして、できるだけゆっくりと水を冷やすことが大事です。こうして、水温が0℃以下になるまで振ったり動かしたりしないように静かに冷やしていくと、過冷却の水ができます。
こうしてできた過冷却の水は、本当は氷になりたがっているのですが、あまりにゆっくり冷やしたため、凍るきっかけがつかめなかったと考えてください。しかし、ペットボトルを急に振ったりすると過冷却の水がかき回されて、氷ができてしまうのです。もともと、氷になりたがっていた水ですので、いったん氷ができるとペットボトルの水全体がいっせいに氷に変わり、凍ってしまうのです。
(回答掲載日:2023年2月14日)