雪と音、眠りについて

 静かになるとよく眠れるのかどうかは、人それぞれであると思いますが、確かに雪が降っていたり積もっていたりすると、静かに感じられますね。音は空気の振動で伝わりますが、雪が降っていると空気の振動が雪で減衰されてしまうので、音が伝わりにくくなります。しかし、降雪時にとても静かに感じられるときには、いわゆるぼたん雪と呼ばれる粒の大きな雪が降っている場合が多いのではないかと思います。このぼたん雪は、雪の結晶が多数絡み合って降ってくるもので、比較的気温の高い時に見られます。このようなぼたん雪は、空気の振動を減衰する効果が大きいと思われます。このため、とても静かに感じられるのです。私は、北海道に住んでいますが、気温の低い真冬にはぼたん雪を作らず、雪の結晶がバラバラで降ってくることが多くなります。このようなときには、あまり周囲が静かになったという感じがしません。

 また、新雪が積もった朝などは、雪がやんでいてもとても静かに感じられますね。これは、積もった雪にも同じように音を減衰する効果があるからです。

 さて、ご質問の「防音の働き」があるかどうかですが、これは防音をどう捉えるかで答えが変わります。防音とは、音を吸収するだけではなく、音の反射を防ぐような構造にするとか、音を伝えやすい隙間を作らないとか、さまざまな要因が複雑に関連して達成されるものです。したがって、雪の降る夜の静けさと防音の働きは分けて考える必要がありそうです。

(回答掲載日:2021年12月3日)