雪雲

 私達の住む地球の大気では、雲の高さは最大でも10000メートル(10キロメートル)が限界です。旅客機は地上から約10キロメートルの上空を飛びますが、これはもう雲が存在しないような高さを飛びたいからですね。

 さて、実際に雪を降らせる雲(雪雲)は、この最大の高さよりは低く、だいたい2000メートルから3000メートルの高さと言われています。富士山の高さはおよそ3700メートルですので、それよりも低いところということになります。

 このような雪雲の中でできた氷の粒は、雲の中を落下しながら周囲の水蒸気を集めて、だんだん大きくなります。粒の大きさが大きくなると落下する速度も増してきますので、だいたい1時間ぐらいをかけて地上に落ちてきます。これが雪の結晶ですね。地上に達したときには、結晶の大きさは最大で10ミリ程度です。これは雲の中で成長できる時間が1時間程度しかないためで、どんなにがんばってもこれ以上には大きくなれません。

 スキーなどで山に行くと、きれいな結晶が見えやすくなりますね。これは、山の高さのために、雪雲の中でできた雪の結晶が、すぐに私達の目の前に降り落ちてくるためです。今度スキー場に行くことがあったら、雪の結晶を観察して、この結晶がどれくらいの高さから落ちてきたのかを想像してみてください。

(回答掲載日:2023年8月29日)