雪と氷のQ&A
タグ:体積

Q49

体積の膨張

氷に関する初歩的な質問をいたします。水が氷ると体積が膨張(9%程度)しますが、氷を冷やし続けたときに膨張は止まって一定を保持すると考えてよろしいのでしょうか。(トシさん / 神奈川県・67歳)

 ご質問には、二つの異なる現象が含まれています。まず、「水が氷ると体積が膨張(9%程度)します」は、液体の水と固体の氷の体積の違いを示しています。一方、後半の「氷を冷やし続けたときに膨張」は、固体である氷の体積が温度により変化する現象です。したがって、二つは分けて考えなければなりません。

 まず、前者は、水が氷に変わるときに体積が9%増加することで、氷のほうが水よりも軽くなります。一般に、ある物質が液体から固体に変わると体積は小さくなります(固体は液体に沈む)ので、この性質は氷に特有なものです。氷山や流氷が海に浮かんでいるのはこのためです。この性質は、地球の気候や生命に進化などにも深く関わっています。

 一方、後者は、どんな物質であっても、その固体は温度の上昇とともに膨張します。例えば、線路のレールは、真夏の暑い日は膨張して長さが伸びるのはよく知られていますが、まさにこの現象です。氷も同様で、温度の上昇とともに同じことが起こり、膨張します(逆に言えば、温度の低下とともに収縮します)。長野県の諏訪湖などで観察される御神渡りと呼ばれる現象は、湖面に張った氷が寒気で収縮して割れ目が入り、そこにできた薄い氷が気温上昇で膨張して割れて、氷がせり上がるためと考えられています。しかし、この膨張(収縮)の割合は、水が氷の変わるときの体積の増加に比べれば極めて小さい量です。(温度の変化が1℃に対して、体積は0.016%変化)したがって、氷を冷やし続けたときの体積の変化は、ほとんど起こらないように見えるのだと思います。

(回答掲載日:2022年7月1日)

#体積#氷の不思議

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