雪と氷のQ&A
タグ:霰
なぜ雪に比べ霰や雹は硬く 体に当たると痛いのでしょうか?
なぜ、空から降ってくる雨や雪とは違い、霰や雹はあれほどまでに強く 人や物に当たると危険を伴うほど痛く硬いのでしょうか?(ワタリドリさん / 石川県・27歳)
これは、あられやひょうのでき方と関係しています。雪の結晶は、上空の雲の中に発生したごく小さな氷のかたまり(氷晶)に周囲の空気中に含まれる水蒸気が直接氷晶に吸い込まれることで生成します。このため、軽くてふわふわなのです。では、雪の結晶に吸い込まれる水蒸気はどこから補給されるかというと、結晶の周囲に浮かぶ雲粒(直径0.01〜0.04ミリ程度)が蒸発することによります。すなわち、雪の結晶の周囲には、必ずこのような雲粒がたくさん浮かんでいることになります。
さて、だんだん雲が濃くなり雲粒の数(密度)が増えてくると、雪の結晶に直接この雲粒が衝突するようになります。この雲粒は、結晶の表面に球形を保ったままで直ちに凍りついてしまいます。雪の結晶の写真や分類表には、”雲粒付き”という名前のついた結晶形がありますが、これらはこのようにして作られます。
では、さらに雲が濃くなって雲粒の数が増えるとどうなるでしょう。雪の結晶には、雲粒が次から次へと衝突して、凍りつくようになります。このようなときには、結晶の上に小さな氷の玉が折り重なって凍りつき、ちょうどぶどうのフサのような構造のものができます。これが、あられです。このため、あられは雪の結晶よりも硬くなり、当たると痛いと感じるようになります。
最後に、ひょうはどのようにしてできるのかを説明しましょう。もっと雲が濃くなって雲粒が密に存在すると、雪の結晶に衝突した雲粒が完全に凍りつく前に、次の雲粒がその上に重なって衝突してくるようになります。こうなると、結晶の表面には、液体の水の膜ができてしまい、それを通して氷が発達するようになります。こうしてできた氷のかたまりが、ひょうです。あられは氷の粒の集まりですので白く見えますが、ひょうは透明な氷のかたまりとして見えるという大きな違いがあります。ひょうは、発達した積乱雲の中などの強烈な上昇風が吹き荒れているところでできやすくなります。このような中では、ひょうも吹き上げられてなかなか落下できないので、時にはゴルフの球ぐらいにまで大きくなることがあります。記録では、こぶし大のものが観察されたこともあるそうです。こんな大きさの氷のかたまりが降ってきたら、ただ痛いだけでは済みません。ひょうが降りそうな荒れた天候になったら、ただちに頑丈な建物などに逃げ込むことが大切です。
(回答掲載日:2026年8月8日)
その他の現象 #霰#雹#雪の不思議ひょうやあられが降る条件
ひょうやあられは、どういう時に降るものですか?(怜さん / 長野県)
ひょう(雹)やあられ(霰)は、よくひとくくりで呼ばれますが、その特徴や成因はかなり異なります。それぞれについて、違いを見てみましょう。
雪の結晶は、大量に浮かんだ雲粒(直径が0.01ミリ以下の大きさの水滴)の中に発生した氷の粒が、時間とともに周囲の水蒸気をもとに大きく成長することで作られます。雪の結晶は、成長するとともに重さが増すので落下速度も大きくなります。すると、結晶の周りの空気の流れにより、結晶に雲粒が衝突して粒のままで凍りつく場合があります。このような雪の結晶は、雪の結晶の分類表にもある「雲粒付きの雪結晶」ということになります。このとき、雲が非常に濃い(雲粒の数が非常に多い状態)場合には、雲粒がつぎつぎと衝突して凍りつきます。最後には、もとの雪の結晶はもはや見えなくなり、凍りついた雲粒の塊になってしまいます。これが、「霰」と呼ばれるものです。実際に降り落ちた霰を拾い上げて、凍りついた雲粒を丁寧に外していくと、最後には元になった雪の結晶が残っているのを確かめることができます。
一方、雹は、白い霰とは異なり、透明な氷の塊として降ってきます。これは、霰ができるときよりも、もっと大量に雲粒が衝突すると、衝突した雲粒はもはやその場で凍りつくことができず、氷の表面を水の膜で覆ってしまうほどになります。雹は、この水の膜が凍ることで、透明な氷の塊としてだんだん大きく成長することで生成されるのです。したがって、氷の塊である雹は非常に重く、雲の中を高速で落下することになります。雹が大きく成長するためには、雹の落下速度に匹敵するような強い上昇気流があることが重要です。これによって、雹は長い時間雲の中に滞在することができ、大きな塊に成長できます。このような強力な上昇気流が生じるには、極端に発達した積乱雲が必要で、竜巻などを引き起こすこともまれではありません。雹は、竜巻などの発生と合わせて観測されることが多いのは、このためです。雹といっても、大きさはせいぜい直径で1センチ程度のものがふつうですが、場合によってはゴルフボール程度の大きさになることもあります。また、まれに直径が10センチを超えるものが観察されたという記録もあります。さらに、雹は必ずしも冬の季節に特有なわけではなく、積乱雲の発達しやすい夏の猛暑のときに降ることも少なくありません。落下速度があまりに大きいため、上昇気流から抜け出すとあっという間に地面に到達してしまうので、真夏の気温でも融けて水にもどるひまがないからです。
(回答掲載日:2022年2月17日)
その他の現象 #霰#雹#自然現象
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