雪と氷のQ&A
タグ:歴史
雪の結晶について
古生代や中生代にも雪は降っていましたか?また、その時代の雪の結晶は、現在分類されているような柱状結晶群や板状結晶群だったのでしょうか? そう言った事を自分で調べる場合は、雪氷学、古気候学、気象学、古生物学などの学問だと、どの学問になりますか?(ノートの罫線さん / 大阪府・34歳)
今から46億年前に地球が誕生して以来、地球の気候は大きく変動してきました。その間には、安定な気候の状態として、地球全体が氷床で覆われた寒冷な気候の時期、地球上から氷床が消えた温暖な気候の時期、そして部分的に氷床で覆われた比較的温暖な気候の時期を繰り返してきたと考えられています。特に、寒冷な気候の時期は、地球全体が雪だるまのように真っ白な球体になっていて、全球凍結(スノーボール・アース)と呼ばれています。地球の歴史の中で、2回あるいは3回、このような状態に陥ったと考えられています。
さて、このようなことを考えると、当然地球が誕生してからいつも地球のどこかでは雪が降っていたと予想されます。しかしながら、その時に生成される雪の結晶の形は、結晶が生成するときの気温や水蒸気の量などの全く物理的な因子で決まります。すなわち、どんな時代であっても、この物理的な因子は変わりませんので、昔も今も雪の結晶の基本的な形は同じです。
さらに、雪の結晶は降り積もったあとすぐに融けてしまったり、形が変化してしまったりするので、結晶の最初の形は保存されません。したがって、古代の雪の結晶の形を議論するのはあまり意味を持ちません。
しかし、少し広く考えて、古代の地球の環境や気候変動の研究というのは、地球の進化や生命の進化とも密接に関連する重要な課題です。このような研究は、実際にはさまざまな研究分野にまたがって行われています。既存の研究分野は、そのような研究を行うための導入としては重要ですが、それにこだわる必要はないと思います。
(回答掲載日:2023年9月10日)
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