雪と氷のQ&A
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雪質について
粉雪や玉雪など降雪における雪の状態の差は、どのような構造の差として観察されるのでしょうか。またその差は如何にして生まれるのでしょうか。(きすけさん / 岐阜県・30歳)
粉雪や玉雪というのは、降雪における雪の呼び方としては科学の世界で使われる言葉ではありませんが、前者はかなり小さな雪粒がバラバラで降っている状態、後者は多数の雪粒がくっついて一塊になって降っている雪を示すと思われます。
上空の雲の中で生まれた雪の結晶は、雲の中で水蒸気を集めて落下しながら成長し、やがて地上に達します。このとき、地表付近の気温がまだ充分に低く氷点下の場合は、雪の結晶はそのままバラバラの状態で地上に達します。これが粉雪の正体です。
一方、地上付近の気温が0℃前後になると、雪の結晶の表面は薄い水の膜で覆われた状態になります。このような結晶が落下の途中で衝突すると、水膜を通して互いにくっつき、少し大きな雪粒になります。このような雪粒どうしの衝突が繰り返し起きると、最後には数百個もの雪の結晶が一塊になった巨大な雪粒が生成されます。これは、いわゆるボタン雪と呼ばれるもので、大きなものは数センチにも達し、降っている時には玉のように見えますので、これを玉雪と呼んでいるものと思います。
それでは、なぜ気温が高いと雪粒どうしがくっつき合うのでしょうか。氷の粒である雪は0℃で溶けます。したがって、温度がプラスになると雪は半分溶けて濡れた状態になります。さらに、気温がマイナスであっても0℃に近いと、氷の表面は薄い水の膜で覆われていると考えられています。雪粒の表面にこのような水膜が存在すると、雪粒どうしが衝突すると、水膜を通してくっついてしまうのです。海岸で砂の像を作る時に乾いた砂ではうまく作れませんが、湿った砂では簡単に作ることができます。これも、砂粒の表面に水の膜があると砂粒どうしがくっつき易くなるからです。積もった雪でも、気温が低いとパウダースノーになったり雪だるまが作りにくくなったりします。これも雪粒の表面での水膜と関係しているのです。
(回答掲載日:2020年8月12日)
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